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睡眠時無呼吸外来
睡眠時無呼吸外来
睡眠時無呼吸症候群(SAS : Sleep Apnea Syndrome)は日中の眠気やいびきの原因になっているだけではありません。脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、大動脈解離などの危険性が高まる、無視が出来ない病気です。
高血圧や糖尿病など生活習慣病の方に睡眠時無呼吸症候群が隠れていることもあるので、生活習慣病の方は睡眠時無呼吸症候群の検査を一度受ける事を勧めています。
当院では簡易型睡眠時無呼吸検査(簡易SAS検査)のみ実施しておりましたが、PSG:終夜睡眠ポリソムノグラフィー検査(精密検査)もご自宅で行うことが可能になりました。
お子さまに関しましてもご自宅での検査が可能になりました。
※PSG検査に関しましてはご高齢の方など、機械の操作に不安がある方は、高次医療機関へ紹介し入院(1泊2日)で検査をしていただいております。
睡眠時無呼吸症候群(SAS : Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に何度も呼吸が止まった状態が繰り返される病気です。10秒以上の無呼吸や気流の低下が1時間に何回くらい起こるかを無呼吸低呼吸指数(AHI : Apnea Hypopnea Index)と言い、AHI が5以上を睡眠時無呼吸症候群といいます。
睡眠中に何度も息が止まると眠りの質が悪くなり、日中の眠気やからだの怠さなどの症状を引き起こし、社会生活に影響を及ぼすことがあります。
また、血液中の酸素が欠乏することによって心臓、脳、血管に負担がかかり、脳卒中、狭心症、心筋梗塞などの重篤な合併症を来たす危険が高まります。そのほか糖尿病、高血圧症などさまざまな持病への悪影響も報告されています。
日本では潜在的なSAS患者さまが940万人以上いるという報告がありますが、その中で治療を受けている人は70万人程度しかいないと言われています。
欧米では肥満体系の方がSASに罹患していることが多いですが、日本人では鼻炎やアデノイド、骨格的な問題でSASへ至っている方も多いため、痩せていたとしても、いびきをかいている方、日中に眠気を自覚する事が多い方、慢性的に疲労感を自覚している方、生活習慣病の方は簡易SAS検査を受けていただく事をお勧めします。
睡眠時無呼吸症候群の患者さまは健康な人と比較すると、脳卒中は3.51倍、心不全は4.30倍、不整脈は3.26倍起きる確率が高まると言われています。
海外の研究では無呼吸低呼吸指数(AHI)が20以下の患者さまにおける8年間の生存率が96±2%だったのに対し、AHIが20以上(中等症以上)で治療を受けていない患者さまの8年間の生存率は63±17%まで下ったという結果で、約40%の方が死亡していました。
この研究の中で、適切な治療(CPAPという呼吸補助治療)を受けた25人の患者さまでは、5年間の生存率が100%だったと報告されており、健康な人と変わらない程度まで生存率は上がります。
2000年に発表された日本の研究では、無呼吸低呼吸指数が20以上の患者さまは、20未満の患者さまと比較して、明らかに寿命が短いことが報告されており、中等症以上の睡眠時無呼吸症候群の患者さまで適切な治療を受けてない場合、致死的な疾患に罹患する可能性が高くなるという結果でした。
まず、簡易型睡眠時無呼吸検査で睡眠時無呼吸の有無をチェックします。
検査機械を装着して一晩もしくは二晩、寝ていただくだけで終わる簡単な検査で、ご自宅で実施できる検査になります。
結果に応じて(AHIが40以上)、治療開始をするか、精密検査(場合によっては専門機関で入院が必要)を行うかを判断します。
以下に、当院での検査の流れについてご説明いたします。
問診診察等を行い、睡眠時無呼吸症候群の疑いがある方に、簡易型SAS検査を処方します。
患者さまと検査会社で日程を調整いただき、ご自宅で検査を実施します。
検査が終了し、検査機器を検査会社に返却後、おおむね2週間から1カ月で結果がクリニックに届きます。
(検査の際に、検査会社に聞いていただくのが確実です)
結果に応じて、治療開始または精密検査である終夜睡眠ポリソムノグラフィー検査(ご自宅もしくは高次医療機関で実施)を行った上でマウスピースやCPAPによる治療を開始します。
簡易SAS検査、終夜睡眠ポリソムノグラフィー検査(PSG)の結果をふまえて、まずは生活習慣の改善を促します。
ダイエットや飲酒の制限、睡眠薬を使用している場合は減薬や中止を検討します。
軽・中等症の場合はマウスピースなどの口腔内装置(OA)を用いて治療を行う場合がありますが、重症度の高い方は、睡眠中の気道の閉塞を防ぐ治療法「持続陽圧呼吸療法装置(CPAP : Continuous Postive Airway Pressure)」を行います。これは、就寝時に装着したマスクに圧を加えた空気を送り込むもので、安全で長期効果も優れています。
また、空気の通り道を広くするために、鼻やのどの手術を行う場合があります。
特に小児においては、睡眠時無呼吸症候群が成長の大きな妨げとなることが分かってきたため、アデノイド・扁桃の腫大が原因でSASをきたしている場合は手術を勧めます。